初めての彼氏
1ヶ月半前に合コンで知り合った男性と昨日、2回目のデートをした。
1回目のデートで「卓球を始めたい」というような事を言っていたので卓球に誘った。
スポーツセンターに行くことになって、バドミントン、卓球、ボルダリングの順で遊んだ。
バドミントンでは私が取りにくそうなところに羽が飛んでいく度に「ごめん!」と言ってくれた。
気を使わせちゃってるなーと思いながらも、「上達してきてるよ」とか言われると嬉しくなる。
毎回私が打ちやすそうなところを狙って返してくれる。
本当に優しい人だと思う。
卓球のラケットはレンタルで1000円もしたのだけれど払ってくれた。
ボルダリングは難しくて出来なくて、トレーニングマシンをちょっとやって血圧を測ってスポーツセンターを出ることにした。
血圧はエラーで測れなかった。
スポーツセンターから出る前、お土産のキャラメルをくれた。
お土産を買ってきてくれるなんて全く予想してなかったから本当に嬉しかった。
私がステーキを食べたいと言ったらいきなりステーキしか見つからなかったので、焼肉屋に行くことになった。
焼肉屋では私が会話が下手で申し訳なかったけど、まあ色々話せた。
恋愛の束縛、童貞らしさ、選挙、処女と非処女の見分け方、人に言えない買い物、仕事や結婚などなど、なんか下ネタ系が多くなってしまった…
恋愛でどういう束縛がしたいかで、相手には合コンに行かないでほしいという意見が一致した。
焼肉も奢ってくれた。
お店を出るとやっぱり大雨が続いていて、傘をさすと傘の表面が大粒の雨を弾いて結構な騒音だった。だからふたりして大きな声で話しながら駅に向かった。
駅の改札を通ると、今ここで告白しなければ、もう二度とこの人に会えないかもしれないという焦りと緊張が走った。
「俺こっちだから」
私が告白をしようとしているなんて全く思ってもいない彼が、反対側のホームへ降りる階段を指さして3回くらいそのセリフを言った。
早く帰りたいのかな?完全に脈なしじゃないか…と思ったけどもう振られるなら振られてしまいたい。
なぜか私が立ち去ろうとしないでいると彼が帰らずに待っててくれる。
彼の顔を見ながら
「わたし」
と言うと、彼の大きな目が私の目を見つめた。
「〇〇さんのことがすきなんですけど、どうしましょう」
想像していた通りのセリフが言えて安心した。
彼はとても動揺していてはっきりしない雰囲気だった。
「俺も好きとか言えたらいいんだけど…この前から俺も気にはなっていたんだけど…今日の話の流れからそれは無いかと思ったんだけど…次遊ぶ日を決めよう。」
焼肉屋で下ネタの話ばかりになってしまったのがまずかったようだ…
「まだ答えは出ない?もっかい遊んでからにする?」と聞くと
「答えは出てる。えっと他になにか制約が必要なら…!…束縛だよ…」
「もう合コンに行かない?」
「うん、俺元々合コンあんまり行かないし」
これからは合コンに行かないでくれるらしい。
そして英語で何か言った。
「Yes ★△@#」
YESの後はよく聞き取れなかった。
「YES?」って聞き返すと彼は頷いたので私は感極まって彼に抱きついた。
公衆の面前で人に抱きついたのは初めてだった。
「次はデートに誘ってほしい」というと「じゃあ今週の平日誘うね!」と言ってくれた。
その後もなにか話したんだけど、楽しかった!ありがとう、仕事頑張ってねとかそんな感じだったか…
嬉しくて緊張してあんまり覚えてない。さっき抱きついたことを思い出すと恥ずかしくなってきた。緊張と恥ずかしさでどうしていいか分からなくなって話の区切りがついたところで「じゃあね!」と言って私は彼とは反対のホームへの階段へ足早に向かった。彼は「本当に気をつけてね!」と言ってくれた。
階段を降りる直前、彼の方を見るとまだこっちを見ていて、手を振ってくれた。その姿がとても可愛くて
なにかもっと話してから別れた方が良かったのだろうか…
今になって本当に自分が人と付き合えたなんて信じられない。
どうしてOKしてくれたのかも分からない。もしかして誰でもいいんじゃないか?とさえ思えてしまう。
来るもの拒まず去るもの追わず感のある人だからなー
でも今は受け入れてもらえたという事実があるのだし、この幸せを噛み締めたい。
帰り道、相合傘をしたカップルが歩いてきたけど全く嫉妬しなかった。彼氏ができるとこんな変化もあるんだと感じた。